京都市立芸術大学では、平成25年より文化庁委託事業「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」として、「アーティストの招聘による多角的なワークショップなどを通じた新進芸術家育成事業」を実施しています。
本展は、本年度に実施する3つのワークショップのうち、ポーランドよりパヴェウ・アルトハメルとアルトゥル・ジミェフスキ(ともに美術作家/映像・パフォーマンス・インスタレーション)を講師に迎えた「House of Day, House of Night(昼の家、夜の家)」(2015年7月開催)の成果発表展となります。
ヨーロッパと日本の伝統芸術を巡る、言葉によらない対話をテーマとした10日間のセッションは、その場にいた誰もが、芸術だけではなく、自然、歴史、社会、モラルなどさまざまな問題について、根底から考えさせられるようなものとなりました。
ワークショップ終了後、講師2人は「これまで手掛けてきたワークショップの中で、最も刺激的だった」と評し、いつか京都で「真のアカデミー」を開講したいと言い残してポーランドへ帰国しました。
本展では、ワークショップを題材にした、パヴェウ・アルトハメルとアルトゥル・ジミェフスキの共作による新作映像作品を展示すると同時に、参加者たちによる成果発表として、作品の展示ならびに「真のアカデミー」の名の下に新しい教育機関のあり方を模索する実験を行います。
そして、展覧会の最終週には、講師2人が再来日します。参加者たちが展開する「真のアカデミー」を目の当たりにして、彼らはどのようなリアクションを起こすのでしょうか。
目撃者として会場を訪れるもよし、「真のアカデミー」形成に主体的に関わるもよし、鑑賞のスタイルも自由です。会期の最後まで何が起こるかわからない、「真のアカデミー」に、ぜひご注目ください。
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「真のアカデミー」講義・演習開講予定
・会期中の毎週土曜日、日曜日の14:00より、講義が行われます。
・その他、夜間演習が行われる日があります。
※講義・演習内容の最新情報については京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAウェブサイトにてご確認ください。
※その他の時間帯については自習可能時間となります。
※展覧会最終週には講師2人が再来日のため、実施時間が流動的になります。あらかじめご了承ください。
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招聘講師
パヴェウ・アルトハメル Paweł Althamer (1967-)
彫刻家、パフォーマンス、インスタレーション、映像作家。1967年ワルシャワ生まれ。
1988年から93年までワルシャワ美術アカデミー彫刻科のグジェゴシュ・コヴァルスキの元で学ぶ。家族や近隣住民と行うパフォーマンス《コモンタスク》や、ワルシャワの身体・精神障害者グループのノヴォリピエとの共同作業などでも知られ、ジミェフスキと共に共同体への問題提起となるようなワークショップなどを実施。身近な世界から想を得つつ無意識へとつながる想像力の飛翔を見せる。
アルトゥル・ジミェフスキ Artur Żmijewski (1966-)
映像、写真、インスタレーション作家。1966年ワルシャワ生まれ。
1990年から95年までワルシャワ美術アカデミー彫刻科でグジェゴシュ・コヴァルスキの元で学ぶ。
応用社会芸術宣言を発表し、社会問題と密接に関わりながら制作を行う。ポーランドの政治・社会に関する出版を手がけるクリティカ・ポリティチュナのアート・ディレクター。
参加作家
オル太 OLTA
西山裕希子 Yukiko Nishiyama
丹羽良徳 Yoshinori Niwa
増本泰斗 Yasuto Masumoto
松田壯統 Masanori Matsuda
水無瀬翔 Sho Minase
映像記録チーム
長良將史 Masashi Nagara
中望 Nozomu Naka
松見拓也 Takuya Matsumi